公開:2015年2月
更新:2023年7月
公開:2015年2月
更新:2023年7月
関節リウマチを診断するには、画像検査や血液検査のほか、問診などの診察も欠かせません。その症状が関節リウマチによるものなのか、はっきり診断することと、病気の進行度を知るために検査や診察を行います。正しい診断があってはじめて、適切な治療をすることができます。
関節リウマチと診断され、治療が始まってからも、治療の効果を確認したり、病気が進行していないかを確かめたりするために、定期的な診察と検査が必要です。
関節リウマチの診察では、医師から主に次のようなことを尋ねられます。あらかじめ、メモなどにまとめておくとスムーズに答えられるでしょう。
関節をはじめとして、体にあらわれるサインも診断には欠かせません。関節の腫れや変形、リンパ節の腫れなどを医師は視診、触診、打診などを通して診断をしていきます。
関節リウマチの画像検査でもっとも重要なのは、X線検査です。ほかの病気と区別して関節リウマチの診断をするときにも、病気の進行度をあらわす「ステージ(病期)」を判定するときにも欠かせない検査です。日常生活の障害の程度(機能障害の進行度)をあらわす「クラス」の判定にも役立ちます。
ほかには、関節の炎症の状態を調べる超音波(エコー)検査や、骨の状態を詳しく調べるCT検査、滑膜や関節包、靭帯、軟骨などの軟部組織の状態を調べるMRI検査も、状況に応じて行います。
なお、検査の基準値の範囲は、医療機関によって異なる場合もあるため、詳しくは医師にお尋ねください。
なお、検査の基準値の範囲は、医療機関によって異なる場合もあるため、詳しくは医師にお尋ねください。
関節腔に細い針を刺して関節液を採取し、その量や性状(色、透明度、粘り気)、成分を調べることがあります。
なお、検査の基準値の範囲は、医療機関によって異なる場合もあるため、詳しくは医師にお尋ねください。
※1炎症にかかわるタンパク質で、抗体を補助する
※2白血球のうちの顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球、肥満細胞)。免疫にかかわる好中球を指すことが多い
2010年に米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が共同で作成した分類基準に基づいて診断が行われています。
1)1関節以上で臨床的に滑膜炎(関節の腫れ)を認める
2)滑膜炎の原因が他の疾患で説明がつかない
上記1)、2)の条件を満たした場合は、以下に紹介するスコア基準の4項目に照らし合わせて、その合計点が6点以上であれば、関節リウマチとして診断されるという流れになっています。
関節リウマチの病期(病気の進行度)は「ステージ」であらわされ、X線検査で関節の状態をみて、判断します。
ステージ1(初期)
発症早期の状態で、炎症により滑膜の細胞が増殖するため、軟骨の表面が細かい突起状になります。関節液もたまり始めます。骨が薄く写る場合は骨粗鬆症が疑われます。ただし、まだ骨や軟骨の破壊は見られません。
ステージ2(進行期・中等期)
関節の骨と骨の隙き間がさらに狭くなります。骨の表面が削れて小さな穴ができる「骨びらん」もみられ、これが関節リウマチの有力な診断材料になります。滑膜の細胞が増殖することで肉芽(にくげ)が形成され、軟骨を覆うようになります。肉芽は骨を侵食して嚢胞(のうほう)をつくります。ただし、まだ関節に変形はありません。
ステージ3(高度期・高度進行期)
軟骨が失われると、関節を動かすことで、骨と骨が直接触れ合うようになり、激しい痛みが生じます。炎症により関節破壊が進み、亜脱臼や脱臼がみられることもあります。関節の動きが悪くなるにつれ、筋肉の萎縮も進み、関節を支えることが困難になり、変形をきたします。
ステージ4(末期・荒廃期)
関節の骨と骨がくっついて1本の骨のようになる「強直」や、骨が溶けてしまう「ムチランス変形」がみられます。強直になると、関節を動かすことができなくなります。